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救急車:「有料化」提案 財務省、軽症者対象に

財務省は11日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、救急車の一部有料化を検討すべきだとの見解を打ち出した。軽症にもかかわらず救急車 を呼んだ人に、費用を請求する案などが浮上している。先進国で最悪の状態にある財政状況を改善するための歳出改革の一環として、年約2兆円の消防関係予算にメスを入れる狙いがある。タクシー代わりに救急車を利用しようとする一部利用者への「警鐘」の意味合いも強そうだが、有料化には利用者の反発も予想される。
 財務省は、5月末をめどにまとめる財政審の建議(報告書)に、一部有料化 を盛り込むことを検討している。
 消防庁などによると救急車による搬送者のうち半分近くは軽症者が占めている。2013年の救急車による救急出動件数は過去最高の591万件で、過去10年間で22%増えた。119番通報から現場に到着するまでの時間は平均8.5分と10年前より2.2分延び、一刻を争う重症者の搬送に支障が生じているとされる。
 海外では救急車を有料としている国が多く、フランスでは重症者以外の搬送は30分で3万円超の有料制を採用している。財務省は「フランスなどの例を参考に軽症の場合の有料化などを検討すべきだ」と説明している。

                                                    毎日新聞 2015年05月11日

年間2兆円! 救急車にかかわる消防費

救急車の出動件数は、年間591万件(2013年度)で、過去10年間で20%も増えています。救急搬送される患者の半数は軽症者で、安易に救急車を利用する人が少なくないと問題になっています。

軽症者による救急車の利用が増えることで、結果的に重症者の受け入れが困難になり、いわゆる「たらいまわし」などの問題が起きています。

また、救急車の維持・出動には、年間2兆円もの費用がかかっています。地方財政が落ち込む中で、こうした費用をまかなう自治体の負担が大きくなっていることが議論の発端です。

財務省の議論では、すべての救急車を有料化するのではなく、軽症者のみを対象に有料化を導入してはどうか、と提言しています。

海外では有料が一般的、出動1回につき最低5万円の基本料金も

財務省が救急車の有料化を打ち出した背景には、諸外国と日本の救急医療事情の違いもあります。実は、救急車が無料なのは日本をふくめたごく少数の国だけです。欧米の大半の国は、救急車は有料なのが一般的のようです。

例えば、ニューヨークでは基本料金が5万円、カナダのバンクーバーでは6万円など、決して安くはない料金が請求されます。

基本料金に加え、タクシーのように走行距離や利用時間に応じてプラス料金が加わるシステムも普及しています。また、重症のケースでは無料として、軽症の場合は料金を請求させるシステムもあるようです。

【諸外国の救急車の料金体系】
• ・ニューヨーク(アメリカ)――50,000円
• ・バンクーバー(カナダ)――60,000円
• ・ロンドン(イギリス)――0円
• ・ミュンヘン(ドイツ)――67,000円
• ・ローマ(イタリア)――0円
• ・ゴールドコースト(オーストラリア)――90,000円
• ・パリ(フランス)――重症者は0円、それ以外は34,000円
• ・シンガポール――非救急の場合のみ有料
※財務省資料および旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」などより抜粋

財務省は、救急車の有料化を含めた財政健全化の提言を、5月中にもまとめたい考えです。実際の有料化には、反対意見もあり道筋は不明ですが、救急医療という一種の“聖域”にも、財務省が鋭いメスを入れようとしていることは、間違いないでしょう。

(参考)
世界の救急医療事情(トリップアドバイザー)
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